水道業界EXPO ’24

株式会社 清水合金製作所

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平常時から災害時まで「移動できる浄水場」
アクアシリーズ

中国四国営業所課長
久保 克史氏

■小規模水道の持続に向けて

 昨今は集中豪雨が頻発し原水水源の濁度上昇等の異常発生頻度も上がっていることから、山間部などアクセス困難かつ被災リスクの高い地域において、簡易水道等小規模水道の持続は、水道事業者の皆さまにとって大きな課題といえます。また、人口減少が進行する中、小規模水道を支える水道事業体の多くは職員数も限られており、点検等の日常的な維持管理にはあまり手をかけられないのでは、と考えます。
 この課題解決のために開発した製品が「アクアシリーズ」です。「移動できる浄水場」をコンセプトに、浄水場の設備をコンパクトに集約した可搬式小型膜ろ過装置「アクアレスキュー」を筆頭に、アクアレスキューを据付型にした「アクアMF―R」、小型化した「アクアミニ」などをラインナップしています。アクアレスキュー、アクアUV、除濁ユニットの三製品は、レンタル利用にも対応します。

■小型を追求したシンプルな装置

 アクアシリーズ最大の特徴は、完全自動運転によって浄水場と同等の浄水処理を行える点です(アクアレスキューは日量50㎥、アクアミニは日量15㎥まで対応可能)。流量調整、塩素注入、膜の逆洗浄等を全自動で行うため、必要なメンテナンスといえば定期的な次亜塩素酸ナトリウムの補給、数年に一回の膜モジュールの交換(薬品洗浄等)程度です。膜モジュールの交換作業も容易で、職員の方での対応が可能です。常設はもちろん、更新時や災害時の代替施設として、あるいは将来的な浄水場廃止までの短期~中長期の利用ができる使い勝手の良さが魅力といえます。
 アクアレスキューは、搬入や設置等の作業負担の少なさも特長です。移動用にキャスターが付いており、コンパクトゆえ既設片扉からの搬入が可能です。構造もシンプルで、配管や配線等が露出していることから、異常発生箇所の特定も容易です。アクアミニは運搬が困難な山間地や離島に分割搬入して設置することができます。
 さらに、原水水質に応じて膜ろ過に前処理装置・後処理装置等をオプションで付加することで、浄水処理の安定化が可能です。具体的には活性炭ユニット、除マンガンユニット、除濁ユニット等を取り揃えています。アクアレスキュー+除濁ユニットのハイブリッドシステムでは、100度前後の高濁度に対応することができます。

■能登半島地震でも活躍

 当営業所管内においても、アクアシリーズの常設採用やレンタル利用の実績が複数あります。いずれの事例も、大雨や水源の近隣で行われた工事によって突発的な原水水質の悪化が発生したことから、応急対応としてアクアレスキューをレンタルでご利用いただいたのち、常設採用をいただきました。また、高濁度対応としてハイブリッドシステムを常設採用いただいた事業体もあります。事業体の皆さまからは、完全自動運転による維持管理の容易さや、遠方監視装置(オプション)による中央監視装置や携帯端末での常時監視といった点が評価されています。
 今年の能登半島地震で被災した珠洲市や輪島市においてもアクアレスキュー+活性炭ユニットが稼働し、避難所等での生活用水の供給を行いました。現在、アクアレスキューを搭載したキャンペーンカーで全国各地にお伺いしていますので、実際に製品をご覧いただき、採用をご検討いただければ幸いです。

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