水道業界EXPO ’24

日本ニューロン株式会社

キーワード
  • 危機耐性
  • 有事通水機能
  • 極短面間
  • 大変位吸収

管路の大変位吸収を極短面間で可能に
危機耐性の切り札 「MCジョイント」

専務取締役
岩本 康浩氏

■「ベローズ型伸縮可撓管」の革新的“スピンアウト”製品

 当社の若手技術者がベローズ成形システム開発の過程で、失敗した試作品の不揃いの山々から着想したのが【極短面間型 防災継手】MCジョイント(Metal Corrugated Joint)です。
 元来、ベローズ自体は100年以上も前にドイツが発祥とされており、これまでは構造、形状ともほぼ不変で一様でしたが、MCジョイントはそれらとは一線を隔す、まさに革新的な独創製品です。
 管路に作用する軸方向伸縮・軸直方向変位・角度変位等を吸収するベローズ(均一ジャバラ形状)の伸縮可撓性能は、これまでも各分野で防災減災に大いに資するものでありましたが、MCジョイントはその従来型ベローズでは困難であった、極めて短面間での大変位吸収と「全方位可動余力」を同時に確保、実現しました。

■ソリューション奏功、大変位吸収性能が大幅に向上

 当社のシナプスジョイント®(ベローズ型伸縮可撓管)はこれまでも産業プラントの熱膨張吸収など、管路変位の繰り返し回数確保という設計思想のもと、連続する同一形状の山が立ち並ぶ構造で、優れた疲労寿命特性を有しており、水道管路においても全方向同時変位吸収性能で大いに利活用されています。しかしながら限られた短い面間で大きな変位を吸収しようとすると、山同士がぶつかり合うといった問題が有り、相応の面間寸法が必要でした。これに対してMCジョイントはFEM解析(Abaqus)、配管応力解析(AutoPIPE)や各種作動変位試験を行い、最適形状の大小の山を交互、あるいは任意に組み合わせることで干渉を大幅に回避、極めて短面間での大変位吸収を可能にしました。
 MCジョイントは、露出・埋設を問わず、また鋼管やダクタイル鋳鉄管にも対応できる防災継手であり、阪神・淡路大震災においても通水機能を堅持したベローズ構造の大変位時の水密性はそのままに、当社コア技術とルーキーメンバーのアイデアにより適用分野と設置環境を飛躍的に拡げました。
 MCジョイントは受注生産を基本としたオーダーメイド品ですので、事業体ごとや現場ごとの要望に則した仕様(流体、圧力、温度、変位量、面間寸法)に個別設計で対応しています。そのため伸縮部の材質バリエーションも豊富で、かつNEURON独自の成形技術を駆使した多層(multi ply)構造を採用、MCジョイント内面には高耐食合金(SUS312Lなど)&樹脂コーティング(エポキシ系など)で防食タイプも取り揃えています。そのため適用流体も上水に加え、農水・工水・下水・排水・海水(塩水)と、各分野へのスペック・カスタマイズにより、これまでの管路耐震化の常識にとらわれない製品です。
 わが国ライフラインにおける国土強靭化への一助として、また危機耐性の切り札として、MCジョイントの普及に尽力してまいります。

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