水道業界EXPO ’25

ヴェオリア・ジェネッツ株式会社

キーワード
  • 人材不足
  • 財政難
  • 老朽化
  • 脱炭素
  • 持続可能

システム・業務フローの改善に貢献
AQUAREAシリーズ

ITソリューショングループ
副部長
大森 祥子

■料金徴収業務の効率化

 当社は料金徴収業務において50年余りの実績を持ち、現在全国128カ所の事業体からご下命いただいております。受託する業務範囲は事業体によってさまざまですが、検針などの労務から、今回ご紹介する「AQUAREA」(アクエリア)などのシステム提供まで幅広いカスタマーサービスを提供しています。
 上下水道業界全体で言われていることだと思いますが、料金徴収業務においても、近年人材不足が深刻化しています。当社は事業体から主に検針や料金の収納業務などを受託していますが、その中でも検針員や、料金徴収業務に精通し、システムを管理運用する従事者の不足は顕著です。課題解決策として、DXやシステム・業務フローの改善による効率化がキーワードとなることも多いですが、その中の一つとしてわれわれはAQUAREAを提案しています。

■広域化とスマート水道メーター導入推進への対応

 水道事業における広域化の流れが加速する中、事業体からのご要望にお応えすべく、これまでの実績で培ったノウハウや機能はそのままに、処理方法やデータ構成を見直したウェブブラウザ版の「AQUAREA#WEB」(アクエリアウェブ)をリリースしました。
 従来、各事業体で個別に運用されていたシステムを、複数事業体での一元管理を可能とする柔軟な構造へと刷新。一元化データベース内に給水区域と給水元が判別できるようデータを作成・保持することで料金体系の違いにも対応します。広域内での転入出の場合、転居前の未納の紐づけができる拡張性を備え、収納率の向上にも貢献します。
 ユーザーの権限に応じた柔軟なアクセス制御機能も備えており、現場の担当者は担当拠点のデータのみにアクセス可能。セキュリティを確保しながら業務効率の向上を実現します。
 AQUAREA#WEBは、2024年4月から千葉県かずさ水道広域連合企業団で稼働しています。
 また、スマート水道メーターの導入を考える事業体が増えている現状を鑑み、新たな仕組みも構築しています。スマート水道メーターには多様な通信方式がある中で、収集するデータの項目等には各種で違いがあり、それらを一つのシステムに反映させるためには、手入力の作業が必要なケースがあります。その課題を解決するため、スマート水道メーターのデータをMDMSで集約・一元化してAQUAREAに検針実績値として取り込む仕組みを構築しました。スマート水道メーターとAQUAREAが直接連携することで、人の手を介さずにデータを入力することが可能です。
 この仕組みは、現在5事業体で稼働しており、2025年5月以降では新たに9事業体への導入が決まっています。

■労務とシステムの強みを生かして

 料金徴収業務のあり方を多面的な視点で提案できるのは、上下水道に関する労務提供とシステム構築の両方を担う当社ならではです。今回ご紹介したAQUAREAはラテン語で「水」と「面」を表す言葉をかけ合わせた造語です。
 当社は引き続きAQUAREAを筆頭に「領域」「規模」「場所」などのさまざまな面から上下水道事業をサポートしていく所存です。

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