管路への投資を効率的に
アイスピグ管内洗浄工法/アステラ
■考え方の転換
全国的な水道管路の更新率は年々低下傾向にあり、直近では平均で0.65%とされています。収入が減る中で工事費や資材価格が上昇し、更新が追い付かない事業体が多いのではないでしょうか。老朽化に伴い漏水が増え、有収率が下がっているという話も聞きます。
管路の法定耐用年数は40年、実際には各事業体が60年、70年といった独自の更新基準を設定していますが、今のペースでは全ての管路を更新するのに150年かかります。何かやり方を変えなくてはいけません。
更新には相応の予算が必要ですし、さほど古い管路でなくても漏水や濁水が生じることはあります。そう考えると、それぞれの箇所への対応を見直し、効率的に投資していくことが重要になってきます。そこで当社では、特殊アイスシャーベットによる洗管工法「アイスピグ管内洗浄工法」と、衛星による漏水検知技術「アステラ」を提案しています。
■洗管の多様なメリット
慢性的な濁水の解消策として更新を選ぶ事業体もありますが、問題が濁水だけなら洗浄での延命化も選択肢の一つです。洗管から20~30年使えれば、更新と比べて数千万円の費用を削減できます。
また、職員の方が頻繁に現場に赴き、ウォーターフラッシングで濁水に対応しているというケースも少なくありません。本来その時間は更新計画や事業経営の検討などに使うべきで、とてつもない損失です。
さらに、夾雑物の堆積や付着で落ちた流量が洗浄によって回復すれば、管内圧力を下げられる可能性があります。高い水圧は漏水の一因とされており、洗管がその防止につながるとも考えられるでしょう。
■効果的な漏水調査のために
とは言え、洗管による延命化は漏水がないことが前提で、漏水しているなら更新が必要です。何をするにせよ、まずは現状の把握が先決です。
昨年から提供しているアステラは、衛星画像を解析することで地表の水道水を検出する技術です。広範囲を短期間で調査し、漏水が疑われる箇所をスクリーニングできることが特徴となります。
ただし、埋設管の状態はわからないので、ピンポイントの漏水箇所は二次的な音聴調査で特定します。どれだけの漏水を発見できるかは、いかに二次調査をしっかり行うかにかかっています。
アステラを使っているイギリスの水道事業会社とお話しする機会があるのですが、やはり二次調査を重要なものとして位置付けています。日進量は日本の5~7㎞に対し3㎞ほどで、疑い箇所を何度も往復し、それでも見つからなければ相関式の調査なども試すそうです。アステラの能力を最大限に発揮するためには、このあたりをご理解いただきたいと思います。
■使う・残す判断を適切に
人口減少を考えれば、全ての管路の問題に更新で対応していくのは事実上不可能です。現状を把握した上で、必要なところは更新する、使えるものはできるだけ残すという冷静な判断が大切です。
そのためにも、もう少し修繕維持費に予算を回していただければと思うところです。調査や延命化による建設改良費の抑制、効率的な投資が、厳しいループを抜け出すために必要だと考えています。
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