既設補修弁の補強・延命化に
補修弁補強金具
■補修弁の補強に着目
老朽化した水道管路の更新は全国で重要な課題となっていますが、空気弁、消火栓、補修弁といった管路付属設備の維持管理も水道事業体の皆さまの頭を悩ませていることと思います。中でも、空気弁や消火栓の直下に位置し、これらの修理時に管路からの水圧を遮断する役割を持つ水道用補修弁の老朽化対策は重要な問題です。
東北地方太平洋沖地震や熊本地震といった近年の地震においても、地震動によって空気弁が破損し漏水する被害が多数発生しています。補修弁自体を健全に保っておくことは、今後発生が予想される南海トラフ巨大地震などにおける管路システムの早期復旧の観点からも重要と思われます。しかし、古い補修弁はフランジ部分のボルト・ナットが鉄製のため、ボルト・ナットが経年劣化により腐食・破断し、フランジ接合部から漏水が発生する事例があります。一方で、補修弁は更新対応となった場合は断水が必要となるほか、縦配管の下部に位置することから土被りが深く、地上からでは手が届かない場合もあるなど、施工上の制約も多いです。今回の補修弁補強金具は、既設補修弁の使用を続けながら、かつ簡易に地上から補強・延命を行える施工性を追求した製品です。
■地上から容易に施工
補修弁補強金具は、既設の補修弁に金具を外付けし、補修弁の上下フランジ部分をボルトで固定する構造で、あらゆるメーカーの水道用補修弁(JWWA B 126)に対応します。金具のボルトはステンレス製ですので、腐食の心配もありません。
施工には専用工具(仮置き工具、連結ボルト締付け工具、タイロッド締付け工具)を使用します。具体的な施工手順は、まず補修弁補強金具本体に仮置き工具をセットして地上から挿入し、補修弁の周囲に仮置きします。そして連結ボルトを挿入し、連結ボルト締付け工具によって仮締めしたのち、トルクレンチにて均等に締め付けます。最後に仮置き工具を外し、タイロッド締付け工具でタイロッドを均等に締め付けます。一連の施工はすべて地上から行えますので、事故リスク低減にもつながるほか、補強金具も両手で簡単に持ち上げられるよう軽量化しています。
補強金具は呼び径75、100の2種類を取り揃えています。呼び径75は面間100~400㎜に、呼び径100は面間200~400㎜に対応しています。
■縦配管全体の補強にも
本製品は令和4年度に発売したばかりの新製品ですが、福岡県の三井水道企業団などで本採用をいただいています。施工を担当された工事業者の方からも、スムーズに施工できたとのお声をいただいています。
本製品は補修弁だけでなく、補修弁と接続している消火栓・空気弁やT字管など縦配管の補強としてもご利用いただけます。既設設備を補強・延命化することで、更新よりも低コストで高いパフォーマンスを期待できます。膨大な数の管路付属設備の維持管理性向上に向けて、課題解決のための選択肢の一つとして採用をご検討いただければと思います。
ギャラリー(画像はクリックで拡大表示されます)
出展企業一覧
企業名をクリックして詳細情報をご確認ください。