水道業界EXPO ’26

川﨑機工株式会社

キーワード
  • K形押輪
  • 補強金具
  • 給水車
  • 可搬式給水タンク
  • 組立式給水タンク

知見と人手不足をフォロー
課題熟知のラインアップで

取締役部長
大野保氏

■課題の最前線

 フォローする押輪製品
当社は1962年の創業以来、60年以上にわたり押輪・継手の製造・販売を通じて水道事業に携わってきました。
 創業当時に比べ、埋設物が輻輳するなど現場の施工難易度は大きく上昇している一方で、全国各地の水道事業体におかれては、ベテラン技術者の退職により技術継承や人手不足の課題を抱えておられる実情が窺えます。加えて老朽化も進行し、突発的な漏水事故の発生リスクも高まり、いかに迅速に修繕対応ができるかまでも社会から問われるという、大変辛い状況に置かれていると承知しています。
 そして、こうした厳しい要求がなされている現場を即時にサポートできるものが、必ずしも最先端技術を駆使した製品ばかりとは限らないことを、全国のお客さまをお訪ねしたり、日々お問い合わせいただいたりする内容から感じます。
 実際、A形・K形ゴム輪や同軸押輪の需要は依然として高く、近年は出荷量も増加傾向にあります。中東情勢の影響によりサプライチェーンが混乱下にありますが、当社の押輪製品はナフサ由来の塗料ではなく、エポキシ粉体塗装を採用しているため、安定供給が可能となっています。こうした製品供給とともに、施工や維持管理に関する知見も含めて支援し、日々の安定供給を支える、現場に寄り添える存在でありたいと考えています。

■水道屋の知恵を給水車に凝縮

 自然災害の頻発化・激甚化や老朽化に伴う事故の増加により、遠方都市への応援を含めて給水車の出動機会が増えています。
 こうした中、当社は約10年前から給水車事業に本格参入し、ご要望に応じた設計が可能なオーダーメイド製「車両一体型給水タンク」を展開してきました。そして今年度までに全国45都道府県の水道事業体への納入実績を有しています。
 近年はサイバーセキュリティをはじめ自動車を取り巻く頻繁な法規制への対応が求められる一方、水道事業体ごとのニーズに応じた設計や使いやすさの追求には変わらず取り組んできました。こうした取組みが評価され、全国へ導入が広がっているものと受け止めています。
 能登半島地震の応急給水活動で実際に使用された車両を見て、「同じ仕様のものが欲しい」と問い合わせをいただく機会も増えました。能登では地震や豪雨、寒波が相次ぎましたが、古い給水車が凍結による故障に見舞われる中、当社の給水車は一台も故障することなく運用されました。バルブ下部にドレーンを標準装備し、水抜きができる構造としているためです。
 また、北海道向けの車両には、結露による破裂対策として部材に逃がし穴を設けるなど、地域特性に応じた工夫も施しています。
 このように、全国の水道事業に携わる中で培ってきた技術や知見を車両づくりに反映し、各地の現場で活用いただいています。応札から1年以内の納車をお約束しています。

■「運転手不足」対応のラインアップ

 高機能化と並行し、「誰でも扱える給水車」づくりも重視しています。
 導入はベテラン技術職員が主導していても、人事異動や災害時の応援体制により、実際に運用するのは必ずしも専門職員とは限りません。実際、災害時には技術系職員さんは復旧業務に集中し、応急給水作業は事務系職員さんが担う分担になっている水道事業体は、少なくないのではないでしょうか。
 また現在、若手職員が保有する普通自動車免許では2トントラック以上の運転ができないことや、準中型・中型免許保有者であっても乗用車以外の運転経験が不足していることなど、運転手確保に苦慮している声も多く聞かれます。
 そこで当社では、いわゆる水道技術に関する知見や経験がなくとも、バルブ操作やポンプ操作、給水作業をタッチパネル操作で簡単に行えるフルオートマチック給水車を開発しました。このたび離島部で全国初の導入も決定しています。発災時、限られた人員体制で初動対応に当たることを見据え、「誰でも扱える」というコンセプトを評価いただいたものと考えています。
 さらに運転手不足への対応として、普通免許で運転可能な「バンタイプ加圧式給水車(箱型給水車)」もラインアップしています。車体は4WDを標準仕様とし、悪路での走行性能に優れるほか、タンクが露出していないため寒冷地にも適しています。車内には約1トンのタンクや必要機材を搭載しており、応急給水活動に必要な機能をコンパクトに集約しています。

■設置事情即した給水タンク

 東日本大震災以降、給水車の稼働効率を高める手段として仮設給水槽の普及が進んできました。給水タンクは発災直後から断水解消まで屋外で使用されるケースが多く、組立性と耐久性の両立が求められます。
 そうした中、当社の「設置型組立式給水タンク」は、組み立てやすさと設置後の強度を兼ね備えた製品として、能登半島地震でも多く活用いただきました。簡便な組立作業や、安定した運用実績を間近にご覧になった応援事業体だけでなく、被災事業体からも引き合いをいただき、こちらも46都道府県での納入実績があります。
 当製品は樹脂製架台、アルミフレーム、高強度樹脂パネルで構成され、内袋には二重構造を採用することで高い耐久性と衛生性を確保しています。工具を使わず組み立てられるうえ、パーツを軽量化しているため、女性職員を含め誰でも設置しやすい点が特長であり、発災当初に懸念される人手不足にも貢献します。内袋は適切な環境で約10年保存でき、訓練時の交換需要にも対応できるよう1枚単位で販売しています。

■現場に根差して貢献

 当社は、水道事業に長年携わる中で培った知見と、全国のお客さまとのネットワークを強みとしてきました。今後も現場の声に真摯に耳を傾けながら課題を的確に捉え、その解決に資する製品やサービスを提供してまいります。
 今年10月に長崎市内で開催される水道展では、給水車と「設置型組立式給水タンク」を展示予定です。ぜひブースにお立ち寄りいただき、実物をご覧いただければ幸いです。

ギャラリー(画像はクリックで拡大表示されます)

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