有収率改善にコミットした新技術
Curapipe(キュラパイプ)/DALI(ダリ)
岸本 賢和氏
■老朽化が社会問題に
各地で水道管の漏水事故が相次いでおり、その老朽化対策が社会課題となっています。一方で全国に1300もの事業体がある中で、その全てが管路の老朽化対策を計画的に進められているわけではありません。特に中小規模の事業体では、対応に苦慮されているのではないでしょうか。私たちは、技術を通じて、こうした制約を抱える事業体でも適切な維持管理を行える環境を支援させていただきたいと考えています。
その中で、今回紹介するのは、特殊な溶剤を用いて水道管の漏水を修繕する「Curapipe(キュラパイプ)」と、水道管内に光ファイバーケーブルを挿入して常時監視を実現する「DALI(ダリ)」です。
■特殊溶剤で漏水修繕「キュラパイプ」
キュラパイプは、ピグにより特殊な溶剤を水道管内へ投入することで、非開削で漏水箇所を自動的に修繕する工法です。溶剤とピグが水の流れに沿って管内を移動し、漏水箇所に到達すると、溶剤が原因となっている穴やひび割れだけを埋めて硬化します。溶剤は、当社で水道法に基づく浸出試験(JWWA Z 108)を行い、クリアしています。
対応口径は200㎜までで、1回の施工延長は約400mです。溶剤の位置や量の変化はセンサーで常時測定しているため、どの位置で漏水が発生していたのかも把握できます。
キュラパイプの大きな特長は、有収率の改善という「結果」に直結するソリューションを提供できる点です。開発会社では、この技術を用いた漏水修繕を「ウォーターロス・ハーベスティング」と表現しています。漏水を“収穫する”ように取り切るという考え方です。実際に海外では、有収率が50%を下回るような状況を劇的に改善した事業体もあります。
キュラパイプによって管路の延命化を図りつつ、本当に必要な路線に更新投資を集中することができれば、費用を大きく抑えることが可能になります。
キュラパイプを日本でも活用できれば、管路更新や維持管理のあり方は大きく変わると確信しています。まずは普及させるため、キュラパイプの施工にかかる全ての費用を当社が負担する代わりに、実証フィールドを提供いただける事業体を募集しています。
■大口径管の常時監視技術「ダリ」
ダリは、大口径管や重要管路の管理に焦点を当てた技術です。管路内に光ファイバーケーブルを挿入し、地上部に設置したレーザー発信機からパルス信号を送ることで、管内の微小な振動を捕捉し、漏水をリアルタイムで検知します。管路1㎞を1時間調査した場合、得られるデータ容量は10GBにも及び、この高精度なデータを用いた解析を行うことで、漏水箇所を正確に把握することができます。
ケーブルは管路内に残置することが可能で、事業体のニーズに応じて、リアルタイムで監視する「常時監視」、解析機器を必要なタイミングで設置する「定期診断」、調査後にケーブルを回収する「一時的な診断」の3パターンで運用できます。
横浜市で実証を行っており、疑似漏水箇所をすべて発見するとともに、新たな漏水疑い箇所も検知するなど、良好な結果を得ています。今後は、民営水道の管路を対象とした常時監視プロジェクトも開始する予定です。
キュラパイプ、ダリの両技術については、7月24日に都内で開催する当社セミナーで詳しく紹介します。当日は、キュラパイプの実証フィールド提供に関する詳細も説明します。関心のある事業体の皆さまには、ぜひ参加いただきたいと考えています。
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