経済企画庁は、「欧米の主要な国に比べると、わが国は消費者物価が安定し、一人当たりの国民所得も高く、経済的な安定の面では優れている。しかし、下水道の普及率は依然として低い」という調査報告をまとめました。これは、国民生活指標と呼ばれ、毎年、NSI試算として公表されていたものです。
下水道と並んで劣るとされたのは労働時間、有給休暇、住宅面積、図書館数――。生活関連社会資本の代表選手の立ち後れがまざまざ。(中略)
昭和六十一年から六十二年にかけて、全領域で向上がみられた。とくに健康、家庭生活、学校生活は大きく向上し、経済的安定はやや向上、環境と安全、勤労生活、地域・社会活動、学習・文化活動もわずかながら向上した。
環境と安全のわずかな向上は、公害苦情件数が増加したものの、下水道普及率が上昇したことや不慮の事故による死者が減少したことによる。(中略)
欧米と比較すると強盗検挙率など安全面で優れているが、下水道普及率は依然低い。
下水道普及率……着実に上昇しており、四十五年度末に一五・六%だったが六二年度末には三九%。しかし欧米、とくに英・西独の九〇%台と比べると大きく立ち遅れている。(原文ママ)