中曽根総理大臣、宮澤大蔵大臣は昭和62年5月6日、参議院予算委員会で、原文兵衛氏(自民党)の質問に答え、「下水道整備は緊急を要する」「内需拡大に実効性のある事業であり、優先する」「概算要求基準の設定では一律マイナスではなく、重点配分を考えたい」と発言しました。これは当時、下水道関係者の永年の主張が認められたものとして重要視されました。
昭和62年5月11日付の日本下水道新聞では、この出来事について次のように報じています。
全下水道関係者にとって、永年の胸のつかえが「すうっ」と抜ける、極めて重大な発言が、何と、総理大臣と大蔵大臣という、わが国の政治・行政の超中枢的立場から、ものの十分ほどの間にポンポンと合唱のように飛び出した!!
原氏は、総理の訪米により、今や〝国際的公約〟と化した内需拡大をめぐって、政府の対応をただした。
これに対し、総理は財政の出動を容認。また、「下水道、公園、住宅などの都市にかかわる整備は緊急を要する」「六十二年度予算が成立したら、すぐ補正予算の編成にとりかかる。できるだけ早く成立させたい。 八月までにやらなければ」
大蔵大臣は、「六十三年度予算では工夫して内外の期待に応える。本当に大事な事業に予算をつけ、優先度の低いものを抑えるよう、省内に指示している。概算要求基準は一律方式ではなく、内需拡大に実効ある事業に重点を置きたい」「補正予算でも同様の工夫を検討する」「党の総合経済対策をみても、昨年以上の建設国債の増発が必要だ」。
政府による、あまりにもみごとな下水道優先の確約!全下水道関係者が血みどろで訴えてきた悲願――あとは実効あるのみ!(原文ママ)