連載 水を伝える

日本水道新聞社は2024年で創業70周年を迎えました。本連載では、約70年間にわたる当社の報道について、日本水道新聞、日本下水道新聞の過去の紙面を通じて、印象的な出来事を回顧していきます。70周年という節目を迎えるに当たり、創刊号からこれまでの紙面を振り返ることで、読者の皆さまに当社の報道を通じた上下水道史を伝えるとともに、われわれも歴史の教訓から学び、次の10年に向けて、新たな一歩を踏み出すきっかけとしたいと考えています。

第11回 創刊25年 唯一の下水道専門新聞10年

昭和54年_05月07日 日本下水道新聞_第0504号

2022年11月25日

昭和32年、建設省が下水道行政を所管(終末処理場は厚生省)するようになった事件を起点に、下水道法制定、下水道財政研究委員会の運営、下水道整備5ヵ年計画の策定、同計画を裏付ける緊急措置法の制定、日本下水道協会の創立(日本水道協会からの分離独立)、流域下水道の発足などを経て、昭和42年に終末処理場の所管が建設省に移って下水道行政の一元化が実現するまでの10年間は、文字通り激動の時代であり、下水道独立への苦難に満ちた道程でもありました。
それは、下水道整備のニーズを全国的に広め、促進体制を強化し、ポリシーとしての価値を高めた10年でもありましたが、こうした激しい流動の中で見落としてならないことに「公共事業としての下水道論」があります。

この中、昭和54年5月7日の日本下水道新聞1面に掲載された社説「下水道躍進時代を共に 〝日本下水道新聞〟の10年」では、この10年の歩みについて、次のように振り返っています。
財源は少ない、国費は伸びない、といった苦しい情勢下で「下水道は公共事業である」との議論を進め、財政研究委員会の審議や提言等を通じて定着化を図ったことは、その後の下水道事業のあり方、 国 (公)費導入・拡大、強いては今日の盛況をもたらす原動力となったことからして、枢要な〝分水嶺〟であったと指摘できる。
それは、下水道事業の〝体質〟を醸成し、前述の行政一元化等は〝骨格〟や進路を構成し、両々相まって今日の下水道躍進時代を築いていると考えられるからである。
こうした背景のもと、ようやく躍進時代を切開きつつあった昭和四十四年四月、「日本下水道新聞」は日本水道新聞から分離・独立する形で創刊されたわけですが、昭和二十九年一月、水道と下水道の整備・促進を理念に日本水道新聞が創刊された時から数えますと、二十五年――四分の一世紀にわたって下水道の整備・促進を旗印に営々とこの道を歩み続けてきたわけです。(中略)
つまり「理想と初心」を忘れることなく、唯一の下水道専門紙としての大道を進み続け、報道・言論機関としての社会的使命をまっとう致したいと思いますので、旧に倍するご支援とご叱正をお願いしてやみません。(原文ママ)

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