都市化の進展、生活活動の拡大によって、河川環境が悪化、特に湖沼については、水質問題を中心に国民の関心が高まってきたこともあって建設省は昭和56年3月、河川審議会に「望ましい河川環境はいかにあるべきか」について諮問。同年12月18日に同審議会から建設大臣に答申されました。
河川審議会(会長・岩佐凱實 経団連評議員議長)は十八日、河川環境管理のあり方について、始関建設相に答申した。それによると、河川環境が地域社会の生活環境の形成に重要な役割を果していることを踏まえ、河川環境を保全する施策を総合的かつ計画的に実施するため、河川ごとに河川環境管理の基本計画を策定、水環境と河川空間の適正な管理を図るべきだ――としている。
河川水量及び水質の総合的管理では①ダム、導水路など河川管理施設の管理②取排水施設の管理③水量及び水質の監視④水質事故時などにおける措置―の強化をすべきだとし、水環境改善のため、浄化用水導水路及び異常渇水時、異常水質汚濁時などにおける水量補給用のダム建設をはじめとして、汚泥しゅんせつ、わき間接触酸化処理、ばっき処理などの河川自浄機能の増進などの事業を推進すべきだとしている。
また、最近汚濁が問題になっている湖沼、ダム貯水池などの河川環境を保全するため、①流入河川での河川浄化施設の設置②池内における藻類除去、ばっ気処理などの浄化対策③選択放流施設の設置―などの推進を図るとともに、ダム貯留水の計画的転換を図るための操作管理方式などについて検討することを指摘している。(原文ママ)