連載 水を伝える

日本水道新聞社は2024年で創業70周年を迎えました。本連載では、約70年間にわたる当社の報道について、日本水道新聞、日本下水道新聞の過去の紙面を通じて、印象的な出来事を回顧していきます。70周年という節目を迎えるに当たり、創刊号からこれまでの紙面を振り返ることで、読者の皆さまに当社の報道を通じた上下水道史を伝えるとともに、われわれも歴史の教訓から学び、次の10年に向けて、新たな一歩を踏み出すきっかけとしたいと考えています。

第16回 水資源公団の監事 佐藤元東京都水道局長に

昭和37年_05月14日 日本水道新聞_第0410号

2023年2月3日

水資源公団では、後に佐藤志郎元東京都水道局長が監事に就任しましたが、それまでに次のような紆余曲折がありました。
厚生省から監事推薦を受けていた日本水道協会は、昭和37年5月11日に緊急理事会を開き、自民党政調会や経企画庁当局が小林東京都水道局長ならと理事を約しましたが、厚生省が五十嵐氏(環境衛生局長)に固執したため、発言権のある理事ポストを取ることができず、監事を押し付けられ、その結果、再び監事推薦を申し入れてきた態度が納得できないとして返上論が多数を占めました。
このため、同協会代表はこの旨を東会長と厚生省に申し入れました。ところが東京都では、利根川水系の開発事業が進行中だったため、役職問わず、役員を送り込んでおくことが得策であると考え、関係方面と話し合いに乗り出しました。そして、同協会も今回は監事でも、理事のポストが空いた場合は理事に横滑りすることを条件とし、不本意ながら了解するに至りました。
かくして、佐藤志郎氏(前東京都水道局長)が推薦され、その後、理事1人が増員され、厚生省の五十嵐氏が理事に、そして大橋課長が継ぎ、以降、理事→監事を国川、山村、森下、坂本水道環境部長が務め、10月1日から水資源機構の改組とともに、東京都水道局多摩水道改革推進本部長の鈴木三夫氏が監事に就任しました。

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