連載 水を伝える

日本水道新聞社は2024年で創業70周年を迎えました。本連載では、約70年間にわたる当社の報道について、日本水道新聞、日本下水道新聞の過去の紙面を通じて、印象的な出来事を回顧していきます。70周年という節目を迎えるに当たり、創刊号からこれまでの紙面を振り返ることで、読者の皆さまに当社の報道を通じた上下水道史を伝えるとともに、われわれも歴史の教訓から学び、次の10年に向けて、新たな一歩を踏み出すきっかけとしたいと考えています。

第2回 二つの長沢浄水場 川崎から東京へ分水

昭和30年_02月1日 日本水道新聞_第0040号

2022年07月15日

昭和30年1月22日、建設大臣室にて、東京都の安井誠一郎知事、神奈川県の内山岩太郎知事、川崎市の金刺不二太郎市長によって、川崎市から東京都への相模川系分水23万㎥に係る協定書が調印されました。

そのポイントは、① 川崎市に余剰ある期間1日23万㎥の原水を東京都に分譲②協定の有効期間は20年③分水料は1㎥につき1円60銭の割合とする――の3点で、この結果、東京都は長沢浄水場を新設し、城南地区の給水改善を図ることができました。

なお、この相模川系河水統制事業を源にして、川崎市水道局が計装設備などの新技術を導入した長沢浄水場を建設し、その隣に東京都水道局が同局にとって戦後初の長沢浄水場を建設し、二つの長沢浄水場が技術を競うように建立され、今日に至っています。

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