昭和39年4月4日に日本都市センターにおいて設立 (第1回) 総会を開いてから19年余りが経過、下水道のナショナル・センターに育った日本下水道協会は昭和58年6月30日、成人式ともいうべき第20回総会を開くことになりました。
昭和58年6月27日付の日本下水道新聞1面の社説「成人式を迎えた下水協総会」では、日本下水道協会について次のように論じています。
この二十回総会までの期間は、いわば激動の時代であって、貧弱な下水道にインパクトを与えて激動を呼び起こしたり、あるいは創意を凝らして事業を拡大したり、今日の下水道時代を築くために要した歳月である。したがって、温故知新の心情をもって、この二十年の軌道を再認識し合うことも、あながち無意味ではないであろう。
その歴史的発展を端的に実証するデータとして昭和三十九年度と五十八年度の国費、事業費等を比較してみると、次の通り。
国費=百十二億円(39年度)→六千九百六十五億円(58年度)、約六十二倍に。
事業費=六百十五億円→一兆四千八百十億円、約二十四倍に。
地方債=二百八十億円→八千六百億円、約三十倍に。
公共下水道の実施ヵ所も百七十から約四・五倍の七百八十ヵ所に、普及率も七%から約四・五倍の三一・五%にアップした。
下水協の会員数や予算額も、こうした下水道事業の進展に連動して伸び、正会員は四百十四(39年)から二・九倍の一千二百十九(58年)に、特別会員は九十一から十三・八倍の一千二百五十六に、賛助会員は百一から九・六倍の九百六十六に達した。
予算額も、当初、二千七百二十一万円に過ぎなかったものが、五十八年度においては三十四倍の九億三千四百十万円を計上するまでに至っている。
隔世の感というべきであろう。(中略)
日本水道新聞社は2024年で創業70周年を迎えました。本連載では、約70年間にわたる当社の報道について、日本水道新聞、日本下水道新聞の過去の紙面を通じて、印象的な出来事を回顧していきます。70周年という節目を迎えるに当たり、創刊号からこれまでの紙面を振り返ることで、読者の皆さまに当社の報道を通じた上下水道史を伝えるとともに、われわれも歴史の教訓から学び、次の10年に向けて、新たな一歩を踏み出すきっかけとしたいと考えています。
第16回 20回総会を迎えた 日本下水道協会
昭和58年_06月27日 日本下水道新聞_第0711号
下水協は、①下水道に関する調査研究を行い、②急速な普及と健全な発達をはかり、③国民生活の向上に寄与する、という崇高な目的のもとに結集されている全国組織である。
その主体は、いうまでもなく地方公共団体であることから、また、下水道事業が地方公共団体の固有事務であることからして、必要な財源等については国の負担・援助を堂々と求めるとしても、根底には自主的な気概が脈々と流動していなければならないし、各種会員一人一人が「われわれの下水協である」との自意識に立って盛り立て育てて行かなければならない。
もちろん、事務当局は会員あっての下水協であり、そのサービス機関としての存在を見失うようなことがあってはならず、会員も事務局も、二十年前に財政等の困難を予測しながら下水協設立に立ち上がった自主・独立の気概を忘れてはなるまい。いや、その気概を現代に再生させることこそ、緊要な命題というべきであろう。
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