水道公論

表紙の人　阪神水道企業団企業長　吉田　延雄 氏

日本初の用水供給事業者として昭和11年に設立された阪神水道企業団は、先駆的に高度浄水処理に取り組み、安全性の高い、おいしい水道水の供給をいち早く実現した。安定給水に必要な施策の着実な実施、経営改善の推進や経営基盤の強化に取り組む同企業団について、給水区域の拡大、ダウンサイジング、施設耐震化といった最新動向を吉田企業長に聞いた。

吉田　延雄（よしだ・のぶお）氏　プロフィール

吉田　延雄（よしだ・のぶお）氏　プロフィール

大阪大学大学院土木工学研究科修了。昭和57年建設省入省。平成15年（独）水資源機構管理部管理企画課長、16年近畿地方整備局淀川河川事務所長、20年中国地方整備局河川部長、22年環境省大気・水環境局水環境課長、24年内閣府沖縄総合事務局次長、25年内閣府大臣官房審議官(経済産業省併任)。28年（一財）先端建設技術センター理事、令和２年５月（一財）建設物価調査会理事を経て、同年９月から阪神水道企業団企業長。全国水道企業団協議会では令和３年11月から会長代行を務め、４年５月の第66回総会で会長に就任した。昭和32年12月１日生まれ。

技術最前線

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  横浜市・ＴＪＡＳ

  Ｂ―ＤＡＳＨで整備
  リン回収施設が完成

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  肥料国産化と安定供給へ横浜市・ＴＪＡＳ Ｂ―ＤＡＳＨで整備
  リン回収施設が完成

  

  横浜市と月島ＪＦＥアクアソリューション（ＴＪＡＳ）は３月27日、北部汚泥資源化センター内に整備を進めていた下水再生リン回収施設の完成式を開催した。
  同施設は、下水道革新的技術実証事業（Ｂ―ＤＡＳＨプロジェクト）によって整備されたもの。同市はこれまで、安全な肥料原料として下水汚泥から回収したリンの肥料化の取組みを進めてきた。この中で、令和４年度補正予算にかかるＢ―ＤＡＳＨプロジェクトに採択されたことから、ＴＪＡＳとともに、「ＭＡＰにより脱水ろ液から効率的にリンを回収する技術に関する実証事業」を実施することとなった。
  実証事業は、下水汚泥の処理工程で生じる脱水ろ液に含まれるリン酸およびアンモニア性窒素と水酸化マグネシウムを反応させることでリンをＭＡＰ（リン酸マグネシウムアンモニウム）として回収し、肥料の国産化と安定供給を目指すもの。同施設では、年間最大約40ｔの再生リンの製造が可能であることから、地域農産物の地産地消に貢献することが期待されている。

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  荏原商事

  ＮＥＤＯ事業に採択
  　

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  小水力向け水車で実証荏原商事 ＮＥＤＯ事業に採択

  

  荏原商事は、ＮＥＤＯ（新エネルギー・産業技術総合開発機構）の助成を受け、水道施設での小水力発電向けに開発した水車の実証研究に取り組むことを発表した。
  信州大学工学部との共同研究として、流量の少ない地点でも効率よく未利用エネルギーを回収する「水中駆動衝動水車」を実際の水道施設に設置し、性能試験を行う。
  厚生労働省の調査によると、水道施設において水力発電の導入可能性がある箇所の過半数は発電出力20ｋＷ未満と見込まれ、高落差・小流量の地点が多い。
  そこで荏原商事は、既存の水車では経済性が見込めない水道の未利用エネルギーを活用するため、高効率な水中駆動衝動水車を開発することとした。これまではラボモデルを基にした研究を信州大学で進めてきたが、その実証が今回、ＮＥＤＯの「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業（未来型新エネ実証制度）」に採択された。

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  ＪＲ西ら６社

  「ＪＣＬａａＳ」事業開始
  　

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  インフラ包括運営へ協業ＪＲ西ら６社 「ＪＣＬａａＳ」事業開始

  

  西日本旅客鉄道、ＮＴＴコミュニケーションズ、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱ＵＦＪ銀行、日本政策投資銀行の６社は、水道・下水道分野を含む自治体等における総合インフラマネジメント事業に関する業務提携契約を締結し、「ＪＣＬａａＳ」（ジェイクラース）と銘打って事業をスタートさせた。社会インフラサービスのプラットフォーマーとして、案件形成や計画策定、資金調達、ＤＸソリューションの提供などに他企業と連携しながら取り組んでいく。
  ６社は地方公共団体が管理する上下水道、道路、河川といった社会インフラの老朽化などに対応するため、組織力や能力を結集し、包括的なソリューションや社会インフラサービスを提供する。

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