水道公論

表紙の人　飯田　貢　氏

大正３年の通水開始以来、１世紀以上にわたって「断水のないなごやの水道」の伝統を築き上げ、社会的な変化に応じた施策を進めてきた名古屋市で、今月には日本水道協会の全国会議・研究発表会が開催される。そこで飯田上下水道局長にご登場いただき、激変する社会情勢に対応した事業の展開や、人材育成の方向性など最新施策についてお話を聞いた。

表紙バック写真　鍋屋上野浄水場緩速ろ過池。左奥の煉瓦造平屋建は旧第一ポンプ所（名古屋市指定文化財）

飯田　貢（いいだ・みつぐ）氏　プロフィール

飯田　貢（いいだ・みつぐ）氏　プロフィール

昭和60年３月名古屋大学経済学部経営学科卒、同年４月名古屋市役所入庁。平成６年４月経済局付主査（財団法人名古屋観光コンベンションビューロー出向）、14年４月市民経済局付主幹（財団法人名古屋市文化振興事業団派遣）、21年４月交通局営業本部営業統括部長、27年４月財政局税務監、28年４月中区長、29年６月財政局長などを歴任し、令和２年４月より現職。入庁後すぐに配属された区役所で、徴税業務を担当し、税金の重みを実感したことが、公務員生活の原点。座右の銘は「あきらめなければ道は拓ける」で、最初に目指したところが実現できなくても、軌道修正して頑張り続けることが良い結果をもたらすと語る。健康づくりにテニスや愛犬との散歩を楽しんでいるという。昭和37年７月生まれ。

技術最前線

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  水研・日本鋳鉄管

  「KATANAバルブ」

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  ポリ管用不断水仕切弁を開発水研・日本鋳鉄管 「KATANAバルブ」

  
  

  水研は、新たに開発したポリエチレン管用の不断水バルブ「ＫＡＴＡＮＡバルブ」の受注を９月から開始した。管厚をわずかに残した溝切加工の後、弁体として機能する薄いナイフゲートで管を押し切ることで、管内に切粉を混入させずに仕切弁を設置できる。８月までに実施した２件の試験施工では、作業時間の短さや掘削範囲の小ささが事業体から高く評価された。製造は業務提携先で本件知的財産を共同保有している日本鋳鉄管が担当しており、両社はこの製品を協業による最初の成果として位置付ける。
  溝切加工は専用の溝切機で行い、溝切機を取り外してから管の表面に付着した切粉を除去する。割Ｔ字管と弁箱を取り付けた後、弁箱に内蔵された弁体（ナイフゲート）を下ろして残りの管厚を押し切ることで、不断水での設置が可能となる。溝切加工後の薄型のナイフゲートによる押し切り時には切粉は発生せず、開口部の面積が小さいため既設管の強度も確保できる。
  販売開始に先立ち、７月に八街市でφ１５０㎜、８月には名張市でφ１００㎜の試験施工が行われた。両市の担当者は共通の感想として「施工時間が短い」「掘削範囲が小さい」「切粉の混入がない」の３点を挙げ、交通規制の短縮や経済性の向上、品質の確保などにつながると評価した。

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  テクアノーツ

  新居浜市の配水池で施工

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  水中作業で遮断弁設置テクアノーツ 新居浜市の配水池で施工

  

  テクアノーツ（今年１月１日にノダックから社名変更）は新居浜市篠場配水池３号池に、排水せず不断水で水中作業により緊急遮断弁を設置した。
  市は、設置後30年経つ３号池の緊急遮断弁設備一式の更新が必要と判断したが、全面更新のためには３号池の水を全て抜かなければならず、その後の復旧には１カ月以上かかる。また、既設の緊急遮断弁の周囲は狭く作業が難しく、また不断水工事による仕切弁の追加も困難であった。
  そこで、同市が４年前に別の配水池で採用を検討した潜水士による水中設置型緊急遮断弁の施工を篠場配水池で行うこととした。
  施工者のテクアノーツは、潜水士に対して上水道工事のための特別な訓練を実施している。例えば、配水池内では水をかき回して底の濁質を巻き上げないように手足をほとんど動かすことなく水中で姿勢を維持したり移動したりするノウハウがあるという。

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  カンツール

  管路管理のDX化へ

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  カメラ調査を遠隔でカンツール 管路管理のDX化へ

  

  カンツールは、管内カメラ調査用の遠隔操作システムを開発した。調査担当者が現地に赴かずに事務所等の遠隔地からＴＶカメラ車の操作が行えるもので、管路管理のＤＸ化、業務効率化による働き方改革実現を支援するツールとして管路管理業者に提案活動を進める考えだという。
  遠隔操作システムは現場・事務所間で映像・操作信号を送受信するための専用デバイスと遠隔操作アプリケーション、その他通信サーバー用のＰＣ等から構成される。現場側のＴＶカメラ車に送信デバイスを取り付け、事務所（遠隔）側に受信サーバー用ＰＣをセットし、別途用意した操作アプリをインストールしたＰＣで遠隔作業を行う。

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