表紙の人 河村明・東京都立大学大学院都市環境科学研究科教授数百年スパンの長い目で 氾濫許容する政策に転換
近年、気候変動の影響と思われる豪雨が多発すると同時に、健全な水循環の形成が進んでいるとは言い難い中、これらの分野に造詣の深い東京都立大学の河村教授に、現状認識と今後の展開をお聞きした。河村教授は数百年の視野に立った政策の推進をはじめ、東京都内における湧水の復活に向けた地下水揚水量の削減、さらには宇宙を含む森羅万象の構造を踏まえた事象への対応など、多様かつ幅広い提言を行った。
表紙バック写真 堤外地に違法に住居が建設されていることに衝撃を受けたフィリピンのマンガハン放水路
河村 明(かわむら・あきら)氏 プロフィール
河村 明(かわむら・あきら)氏 プロフィール
熊本大学工学部環境建設工学科、九州大学大学院工学研究科修士課程・博士後期課程、同大学助手・助教授などを経て、平成16年10月に東京都立大学大学院工学研究科教授に就任。令和2年4月より大学名称の変更に伴い現職。水文・水資源学会の副会長、理事、編集出版委員長、総務委員長などを歴任し現在は監事を務めるほか、土木学会の地球環境委員会委員長も務める。趣味は「特になく、強いて言えば留学生のゼミ」というが、九州大学時時代にはボディビルディングや社交ダンスに挑戦、熊本大学時代は少林寺拳法部統制長も務め、学会で「踊る水文学者」と呼ばれた一面も。愛読書は「カオス―新しい科学をつくる」(ジェイムズ・グリック著)。昭和30年12月生まれ。