表紙の人 須田善明・宮城県女川町長“迷わない”ことが真の復興への近道 次の世代に残す町づくりを
8年前の3月11日、東日本大震災の津波により、町がほぼ「無と化した」宮城県女川町。死者・行方不明者は総人口の8%にあたる820名余、一部損壊まで含めた被災率85.7%は被災自治体の中で最も高い。ゼロからの復興の下支えとなったのは、職員の努力と復興事業を委託したUR都市機構のサポート、そして住民の協力にほかならない。本誌では、震災のおよそ半年後に町長の職に就いた須田氏に、当時の思いとこれからの町の展望について語ってもらった・・・
表紙バック写真 女川町シーパルピアと女川港
須田 善明(すだ・よしあき)氏 プロフィール
須田 善明(すだ・よしあき)氏 プロフィール
明治大学経営学部卒業後、株式会社電通東北に入社。平成11年、県議会議員補欠選挙にて当選。3期を務め、23年11月、女川町長に初当選。趣味は音楽で、ヘヴィメタルやハードロックをこよなく愛し、ギターを弾き曲も作る。その一方、最近はアイドルの曲も聞くという。女川駅前に復興の象徴として誕生した商店街「シーパルピア女川」には町長の呼びかけに応じて開いたギター専門店もある。
その先に何があるかはわからないが、まずはやってみる。「どうせやるなら前向きに、できれば面白がって」という言葉を好む。座右の銘は「律私尽公」。「造語ですが、政治家とは『在るべき社会』を作るためにあるのであり、そこに携わる者はアイデンティティを捨て去ってはならない。『私』を捨てたら進みません」。迷いのないリーダーシップが、真の復興に向けた大きな力となる。昭和47年6月3日生まれ、女川町出身の46歳。