水道公論

昭和45年5月月刊誌としてスタートし、「豊で住みよい社会」の基盤である水道、下水道、工業用水道事業等の整備促進をベースに、国民生活を支える「水」関連事業のすべてを多角的・総合的に解説・論述する「水の総合雑誌」です。指導的な官界人・経済界人・大学の学究人など幅広い執筆陣を網羅して、詳細なデータとその分析を中心とした論文や率直な座談会・インタビューなどで「水問題の動向」を掘り下げ、分かりやすい情報誌としても親しまれています。

水道公論 2020年1月号

水道公論 2020年1月号

表紙の人 小田祐士・全国簡易水道協議会会長(岩手県野田村長)すべての国民に安全で安心な飲み水の安定供給を 地方の実態を国に伝え新たな施策の展開へ

全国簡易水道協議会(簡水協)は令和元年度通常総会で、都道府県協会が解散した場合に市町村が単独で協議会に入会できるよう会則の一部を改正、組織としての新たな一歩を踏み出した。この総会で会長に就任した小田祐士氏は、村役場の職員として上下水道事業などの担当を経て村長選に出馬、現職を破って首長となった経歴の持ち主である。簡水協では、岩手県支部簡易水道部会長、理事、副会長、会長職務代行などを歴任、長年にわたり組織の活動を支え続けてきた。新会長に簡易水道事業を取り巻く課題とその対応策、今後の協議会活動のあり方などを伺った・・・

表紙バック写真 野田村の景勝地・十府ヶ浦海岸。右側に見えるのは東日本大震災の大津波記念碑。

小田 祐士(おだ・ゆうじ)氏 プロフィール

小田 祐士(おだ・ゆうじ)氏 プロフィール

昭和53年九州産業大学工学部卒、昭和54年野田村役場入り。平成8年国民宿舎えぼし荘副支配人、平成10年水道課下水道係長、平成14年農林商工課農林係長、平成16年農林商工課主任主査を経て、平成17年野田村長に就任、現在に至る。座右の銘は自分だけが良いのではなく、他の人と助け合いながら皆で良い社会をつくっていくなどの意味を持つ「自他共栄」。趣味は祭り、薪、家庭菜園、料理。祭りは損得を超えて一つの目標に向かって皆で仕事を分担しつつ努力を重ね、一つの結果を得ることに楽しみを覚えるという。ご自宅の薪ストーブ用の薪をチェーンソーで作るほか、家庭菜園で野菜を育て、自分で料理してお酒とともに嗜むことも。昭和30年12月16日生まれの64歳、野田村出身。

目次

グラビア

  • こうろん 水道法改正について …知水拓水
  • 第3回インフラメンテナンス大賞
  • 第8回IWA-ASPIRE
  • 台風19号 各地で復旧進む
  • 次年度に弾みを 促進全国大会
  • 注目を集める技術 第一線で躍動!
  • マンスリーフラッシュ

表紙の人に聞く
すべての国民に安全で安心な飲み水の安定供給を …小田祐士氏

記者座談会 小規模水道の現状と課題

逆転の思想 夜景の魅力 …亀田泰武

短期連載 詳報・海外水ビジネス研究会提言報告会④

調査報告 
下水道コンセッションで何が変わったのか …加藤裕之、福田健一郎

コラム 海外水ビジネスの眼 水と石油とインフラ …寿司好

技術評論 縄文の海進と都市 …温故知新

不定期連載 米国における水処理の最新動向 …池端慶祐

世界に貢献する日本の力~JICA専門家の活躍~
(21)札幌市水道局の国際技術協力 …秋田啓志

歴史探訪 史実から学ぶ実践術その2 …上下水道政策研究会

開催報告 第14回緩速ろ過/生物浄化法セミナーin秩父 …下村政裕

Finder~技術者の視点から~㉘本来業務 …中里卓治

連載 鉛中毒と鉛管の話 第8回 鉛の浸出試験とpH調整 …梶野勝司

追悼 故菊地俊三さんを偲ぶ …齋藤博康

追悼 門脇健さんを偲んで …杉戸大作

新春エッセイ 身体の仕組み-喜びと悲しみ- …杉戸大作

「下水道技術士」への道(15) …下水道技術士試験研究会

下を向いて歩けば 第六十一回 沖縄、首里城 …垣下嘉徳

海外短信 クルド人の民族靴「ギーヴェ」 …齋藤博康

  • 経済時評 人による人のための事業に …真保秀幸
  • 公論ダイジェスト
  • 広告索引/編集後記

記者座談会 小規模水道の現状と課題

2019(令和元)年10月に改正水道法が施行され、水道の基盤強化の推進が求められる一方、水道法の範囲外の小規模水道の課題が顕在化しつつある。これまでは良質な水源を確保・処理して、地域で維持管理を行ってきたが、集落によっては水源が汚れると同時に、高齢化等により維持管理の担い手が不足しつつあり、決して人員に余裕があるわけではない水道事業者に支援要請が寄せられているという。小規模水道の現場を取材した記者に集まってもらい、その現状と課題、今後の方策について語り合った・・・

経済時評 人による人のための事業に

先月12日に一年の世相を表す漢字として「令」が選ばれている。30年続いた平成時代から令和という新たな希望を抱かせる元年であった。京都市東山区の清水寺で揮毫した森清範貫主は「お互いが敬い合い、尊び合い、尊敬し合うことが『令』という字に込められていると思う」と述べた。水の世紀と称された21世紀も20年目の節目を迎えた。水の世紀が「成人」を迎える上下水道界のこれからを展望してみた・・・

過去の記事

連載 水を伝える
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