水道業界EXPO ’22

リオン株式会社

キーワード
  • 植物プランクトン計測
  • ピコプランクトン計測
  • 生物障害
  • ろ過漏出障害
  • カビ臭・異臭味障害

ユーザーに寄り添う生物測定の技術

植物プランクトン(Phyto Plankton)カウンタの活用広がる

■顧客ニーズに対応

 当社では、生物障害の原因となる植物プランクトンの数と大きさをその他の濁質粒子と分別しながら連続、自動計測する「ピコプランクトンカウンタ」を開発、2015年頃から販売してきました。今年1月には計測できる粒径サイズをピコより大きいナノサイズ(5~20ミクロン)までに拡大し、商品名も「植物プランクトン(Phyto Plankton)カウンタ」に変更し、さらに幅広いお客さまのニーズに応えられるようにしております。ろ過漏出障害に加え、「異臭味障害」「凝集沈殿処理障害」「凝集沈殿処理障害」などの障害に対応するため、より幅広い粒径にフォーカスできるようにセンサーの処理回路を改良しました。

■全国での活用例が増加

 ピコプランクトンカウンタは現在、全国の20を超える浄水場で採用いただいており、各事業体での有効活用事例が見えてきました。例えばダム湖を水源として河川から取水している事業体では、流量が増加した際の濁度上昇の原因が植物プランクトン由来なのか、粘土粒子由来なのかを連続データ測定により判別しました。それまでは植物プランクトン由来であれば高塩基度PACを投入し、凝集効率を上げる対策をしていたようですが、より早い段階で濁度上昇の兆候が分かり、薬剤の注入タイミングやその量を削減できたということです。
 ダム湖由来の水源で、急激な濁度上昇に悩まれていた事業体では、ろ過水濁度の原因になるプランクトンを原水と沈殿ろ過水などの各ポイントで見ていたそうですが、濁度上昇に表れていない段階で顕微鏡を使わずに変化を捉えられ、濁度が上がって給水停止になる前に処理水量を減らす、水融通をするなどの見極めができるようになったと聞いています。
 濁度障害は生物か非生物かで薬液の種類や注入率などが異なります。「生物・非生物由来の濁度」という指標を加えることで、より迅速な浄水処理方針の決定に寄与し、さらには浄水処理の自動化・無人化に貢献できると考えています。さらにデータを積み重ね、将来は浄水場の制御系の中の監視盤に入れられるような装置をめざしていきたいと考えています。

■生物障害の分析の探求

 いくつか具体の活用例を提示させていただきましたが、当社では生物分析室を設置し、プランクトンの研究に専任担当者を置くなど、人材と設備投資に注力しています。その成果も少しずつ出てきました。2020年度から地域貢献および環境保全活動の一環として、都立公園と共同で池の水に生息するプランクトン調査を進めてきましたが、毎年悩まされていたグリーンウォーターの原因となる植物プランクトンを突き止め、公園サイドに情報提供するなど、生物に関する知見や技術は着実に向上しています。今後も気候変動等により浄水場での生物障害は増加すると予想しますが、浄水場でも微生物専門の職員は多くはなく、知見や技術が不足しています。計測装置の提供だけではなく、さらにデータ収集や原因究明などを通じて、生物に関する知見をさらに深め、生物障害の分析内容を関係者の方々と共に考え、水道事業の持続・発展に貢献できればと考えています。

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