水道業界EXPO ’22

株式会社 栗本鐵工所

キーワード
  • 管路更新
  • 耐震化
  • DB方式
  • ICT

シンプルな機能で活用の幅に広がり

省スペース型自動排水装置

■末端での残留塩素濃度管理

 老朽化した施設や管路の更新・耐震化は全国の水道事業体共通の課題です。中でも面整備されている管路は膨大であり、事業予算との兼ね合いなどから、更新事業は優先順位を付けて計画的に行われることとなります。一般的に更新事業は、施設の老朽度を基本に重要性等を加味して計画が立てられますが、郊外に多い末端の管路は計画の後ろ倒しを余儀なくされる場合もあるかと思います。そうした地域では、経年管と滞留水の両面で問題となり、管内水質の劣化(残留塩素濃度の低下)が課題となります。
 これまで主な残塩対策としては、排水作業による滞留水の置換、管路のループ化や口径のダウンサイジングによる滞留域の解消が行われています。管路工事を伴う対策は、前述の更新事業と合わせて実施されることが多いですが、流況の変化に伴い新たに発生する滞留部への対策が必要となる場合もあります。

■工夫次第で広がる用途

 そこで弊社では、導入が比較的容易と考えられる排水による水の置換に着目しました。従来現地で行っている手作業を自動化することで省力化できれば、多くの事業体の課題解決につながると考えました。今回の自動排水装置は、2013年に販売した旧タイプの装置で経験した教訓を踏まえ、装置を複雑な構成とせず水を定期的に捨てる用途に絞ったシンプルな機能に特化しています。
 シンプルさゆえに、事業体それぞれの事情に合わせた利用が可能です。例えば、整備した管路の供用開始までの残塩対策として使用し、供用開始後は別の場所で装置を再利用するといった運用も想定しています。また、水温が上昇しやすい箇所で水温を保つ対策として当製品を設置したという事例もあります。使い手側の工夫次第でさまざまな用途が生み出せる自由度の高さが最大の特長で、最近ではコロナ禍による水利用の変化に対しても、用途が見出せるのではないかと考えています。

■効果的な装置の運用に向けて

 装置の運用に当たり、排水を行う曜日、排水開始時刻、排水実施時間の設定を行います。条件設定には水温、滞留管路容量、初期残留塩素濃度の最低限の情報があればよく、詳細な管路情報がない場合でも排水条件を導出できる計算ソフトも準備しています。より経済的な水質維持を行うためには、計算ソフトで導出した排水条件を皮切りに、水質変化を見ながら管路の特性に応じた最適条件を見出していく使い方をイメージしています。
 メンテナンスは外観や電磁弁の動作点検など軽微な作業で、1人での実施が可能です。頻度は半年に1回の実施を推奨しており、例えば夏期・冬期で排水条件を切り替えるタイミングに合わせて実施するのが効率的と考えています。
 現在弊社では、ダクタイル鉄管メーカーとしてパイプの供給に加え、管路更新の一助とすべく管路DB(設計・施工一括方式)の提案を行っています。水道事業の特性上、管路更新の最中においても安全な水の供給に向け、既存の管路を上手く使うという視点も大切と考えています。これを端緒として、水道管路のシステム全体をとらえた提案で、事業体の皆さまの力になれればと思います。

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