水道業界EXPO ’22

株式会社 クボタ

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水道管路の更新と維持管理に貢献

スマート水道工事システム/弁類を活用した管内センシングおよび状態把握システム

 人口減少が進む中で、水道事業体もそこに携わる民間企業も、いつまでも従来通りのやり方を続けてはいられないことに気づいています。当社としては、大きな括りで言えば「水道の安定供給にとって不可欠な水道施設の持続にどのように貢献していくか」を課題として捉え、その解決に向け、効率化と品質の維持を両立させたソリューションを提供していきたいと考えています。
 喫緊の課題となっている「水道管路の更新と維持管理」に貢献するという視点から、今回は二つのソリューションをご紹介します。

■設計から工事関連業務を効率化

 当社は昨年7月、管路工事の現場から接合管理情報や継手写真をクラウドサーバに送信することで、継手チェックシートや工事日報など施工管理に関する書類を自動作成できる「施工情報システム」の販売を開始しました。ユーザーの皆さまからはご好評をいただいておりますが、開発過程から事業体や工事事業者の方々に話を聞く中で、より広範な業務に効率化の可能性があるのではないかと考えるようになりました。
多くの労力と時間を要する管路工事関係の業務として、設計段階での事業体やコンサルタントによる配管設計・積算や、施工段階での工事事業者による施工計画作成・施工管理が挙げられます。これらに起因する多忙さが、管路更新が思うように進まず、経年管路の増加や耐震化が遅れている要因の一つとも考えられるでしょう。
 そこで当社では、施工情報システムの発想をさらに広げた「スマート水道工事システム」のご提案に向けて準備を進めています。概念としては、複数のシステムを連携させ、クラウド上の統合データベースで情報を一括管理し、より多くの工事書類の自動作成を可能にしようというものです。
 構成システムとしては、施工情報システムのほか、自動配管設計、自動積算、自動施工計画、工事書類自動作成の四つのシステムを新たに開発しています。これらは通常であれば別々のシステムに分かれているため、書類作成時には同じ情報を一つひとつ転記する、もし変更があれば全部を修正するという手間がかかっており、各システム間でデータを共有・活用できれば大幅な業務効率化が見込めます。
 例えば、導入事例が増えつつある小規模で簡易なDB(設計・施工一括)方式による発注では、設計から竣工図書の作成までを工事事業者が実施します。スマート水道工事システムをご利用いただくと、そこでの重複作業の削減に加え、施工計画図書や竣工図書の自動作成で関連業務の全体的な効率化が実現できます。また、ICTの活用を工事の“見える化”や施工管理レベルの向上につなげることも目指します。
 従来の設計・施工分離発注においては、事業体やコンサルタントに自動配管設計・自動積算システムを、工事事業者に自動施工計画・施工情報、工事書類自動作成システムをご利用いただくことで個々の業務負担を軽減できます。さらに両者がスマート水道工事システムを利用している場合、設計・積算に関する一部のデータを工事事業者に引き継いだり、施工情報システムによる施工実績の自動反映を設計変更に活用したりと、一層の効率化を図ることが可能です。
 構成システムがどこまで仕上がるかは未定の部分もあるのですが、来年度中にスマート水道工事システムとしてのサービス開始できるように準備を進めていますので、ご期待ください。

■管内状態の把握にバルブを活用

 適正な残留塩素濃度の維持、異常発生時の早期検知、断水・渇水や人員不足、広域化への対応といった諸課題を受けて、管内水質の改善、危機管理対応の向上、省人化など、管路の維持管理業務に係るご要望は年々多様化しています。現状を踏まえると、従来業務の延長としてそれぞれの課題に取り組むのではなく、一括して解決を図っていけるような総合的な手法が重要だと考えられます。そのためクボタグループでは、ICTやAI、ビッグデータの活用により、管内状態の把握などの新しい維持管理システムの開発を進めています。
 管内状態の把握は、代表的なポイントに設置された流量計やテレメータで行うのが一般的です。測定箇所が限られ、昨今のニーズからすると十分なデータが収集できているとは言えませんが、スペースや費用の面から機器の増設は簡単ではありません。管網解析を併用して管網全体を把握する手法はあるものの、時間ごとの予測精度向上が課題となっています。
 ご提案する状態把握システムは、各種センシング機能を搭載したバルブ(バタフライ弁・仕切弁)、既設管への切り込みで設置するセンサーなどを新たに提供し、既設の流量計やテレメータと組み合わせることで多点での測定を実現します。開発中のバルブは本体部にセンシング機器を搭載するための専用スペースを設けており、流向・流速や水圧、残留塩素濃度、濁度などを測定項目として想定しています。
 実測データはバルブボックス内の通信端末から携帯電話回線でデータセンターに送信され、クラウド上で一元管理するイメージです。これらのデータを管網解析と連携させて高精度の予測を行うことで、マッピングシステムからセンシングデータやトレンドグラフをリアルタイムで確認できるようになり、アラート機能による異常の早期発見も可能になります。
 こちらのシステムも、来年度中のサービス開始を目標としています。更新率が伸び悩む中、既存の管路をできるだけ長く使い続けることを考えれば、維持管理は今後ますます重要になっていきます。しかしその手法については、今以上に人手をかけるわけにもいかず、苦慮している事業体が多いのではないでしょうか。そうした悩みの解決に貢献できるシステムですので、ぜひ活用をご検討いただきたいと思います。

■最適なソリューションを提供

 今回は二つのソリューションをご紹介しましたが、地元だけでは対応しきれないような大規模な事業、あるいは施設の更新事業に対しては、DB方式なども含めた包括的な対応も可能です。これからも管路の更新計画策定、更新工事、維持管理などのさまざまなシーンにおいて、最適なソリューションを提案・提供してまいります。

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