水道業界EXPO ’21EXTRA

株式会社 多久製作所

キーワード
  • 耐震継手・耐震性鋼管継手
  • 耐震化
  • 老朽管更新
  • 溶接レス継手
  • 水管橋・添架管

配管施工の「困りごと」解決に

橋梁添架管向け溶接レス耐震性鋼管継手「TASCUL JOINT-ER型」

■配管施工時の課題解決に

 老朽管路更新や自然災害等への対策ペースは年々早まっていますが、令和元年度時点で全国の耐震適合性のある基幹管路の割合は40.9%にとどまっています。令和7年度の到達目標が54%とされる中、当社は「管路の耐震化・更新」に対して、施工性・耐久性・安全性に優れた新たな製品開発・技術の提供を行うことで、「配管施工」という仕事をもっと早く、より高い品質で、安全な仕事へと進化させるお手伝いをしていきたいと考えています。
 今回は今後増加が見込まれる「橋梁添架管の耐震化・老朽管更新事業」における「現地溶接工法の技術者不足、溶接部の品質確保、水道管路の長期耐久性確保」などへの課題解決に資する新たな技術製品をご紹介いたします。

■溶接鋼管のデメリットを解消

 橋梁添架部の管路は露出配管となるため、耐久性に優れ、軽量な溶接鋼管が広く採用されてきました。軽さと強度的な条件や配管後も景観を邪魔しないなど鋼管のメリットが生きるからです。布設から40年以上経つ添架管および耐震性が低い添架管は全国に数多く存在しており、埋設管とあわせて更新のピークを迎えようとしています。布設時点の水道施設設計指針に基づいているため、中には近年多発する地震の影響などが十分に考慮されていない橋梁添架管も多く点在します。また、管体に変化や異常が見られなくても、強い応力のかかる支承部のアンカーボルトが変形したり、露出配管という特性から腐食したりと、漏水につながるリスクも潜んでいます。
 鋼管の採用実績からみると、大規模事業体には比較的大口径が多く、溶接技術を持った施工業者も確保しやすい環境下だと思います。一方で、中小事業体では150A以下の鋼管が送配水管路の添架管に採用されているケースが多いと全国の管路延長から推察できます。環境対策・脱炭素の取組み、溶接ヒュームによる健康障害防止措置対策に加え、高度な溶接技術を持ち合わせた技術者の確保等も必要となり中小事業体では施工面、安全面、コスト面から、近年では「できれば鋼管を使いたいけれど、使えない」という実態が少なからずありました。
 その中で当社は、橋梁添架管に鋼管を選びづらくなった要因には耐震化での現地溶接工法による技術者不足等の施工面・品質管理面および施工に係る全体的なコスト面が含まれていると認識し、各事業体に最善の「耐震化・老朽管更新」を選択していただきたいと考えました。施工性という従来の溶接鋼管のデメリットを解消するとともに、耐震性能を確保し、漏水リスクもない接続方法が課題解決の一助になることを確信し、継手の研究開発を進め、満を持して誕生したのが、「溶接鋼管同等以上の継手強度」を備え、作業者の溶接技量に依存することなく容易に接続できるメカニカル形式の耐震性鋼管継手「TASCULJOINT-ER型」(以下、TSJ-ER型)です。

■施工性・安全性もカバー

 TSJ-ER型は大きく分けて、受口と挿し口、固定用のロックバンドで構成されています。溶接鋼管と同等以上の性能を持ちながらも、メカニカル形式の継手なので、現地での溶接および品質検査が不要となり、施工時の大幅な省力化が実現可能です。施工時間の短縮による安全性と施工性の確保だけでなく、溶接を伴わないことから環境対策・脱炭素や健康への配慮にもなります。止水性、耐久性に優れたセルフシール構造のゴムパッキンは促進劣化試験より100年以上の寿命が期待でき、ステンレス製のためメンテナンスの軽減や長寿命化が図れるなどの特長も有しています。添架管とともに橋梁自体も老朽化していますので、布設替えする添架管が少しでも軽いほど、橋への負担は軽減されて延命化が期待できます。
 軽量化を図りつつ、耐震性・耐久性を持つ継手開発に当たっては、神戸大学大学院と共同で耐震性にかかる研究を約3年間にわたり行いました。一般的な剛支承に加えてゴム支承を有する橋梁の振動特性を踏まえた振動観測、地震応答解析の結果を通じて、現行の設計方法において接続部にかかる応力に対する耐震型鋼管継手の安全性を立証し、さらに性能評価試験により確かな品質が保証されています。大規模なあるいは特殊な形式の水管橋に対して地震応答解析を行った事例はこれまでもありましたが、添架管を対象にしたものは限られていました。また、現在発刊されている耐震設計指針には、橋梁添架管の鋼管継手を対象にした耐震計算法は示されていません。前例の少ない研究ですが、今期が最終年度となりますので、年度内に成果をまとめる予定です。産学連携で橋梁添架管継手に求められる耐震性能評価の基準の確立を行ったことも、今後の知見としてお役に立てると考えています。
 これらの実証を経て、米子市水道局で昨年本製品をモデル採用いただき、実際の現地での施工性などの性能を確認いたしました。従来の溶接鋼管では施工が困難な狭隘桁下での添架管施工でしたが、軽量かつワンタッチ式の簡単接続により、「施工時間を大幅に短縮することができた」とのお声をいただくことができました。

■六方よしの実現を

 令和4年4月からの発売に先立ち、昨年5月ごろからサンプルでの製品PRによる営業活動を展開しています。サンプルを用いた実演は、接続の容易さを実感しやすいと好評をいただいております。
 一口に「管路の耐震化・更新」といっても、どこを目指しているのかによってご提案する内容は変わってきます。さらに、問題として挙がる事柄は同じでも、事業体の規模によりニーズが異なる場合もあります。現時点では一般的に150A以下の管路敷設延長が最も長いことから、50A~150Aサイズまでの製品をご用意しておりますが、200Aサイズへの拡大も計画している最中です。また、施工性および継手部のスリム化・軽量化を重視した水道用鋼管継手「TASCULJOINT-AS型」も併せて販売することによって、最適な形で多様なニーズにお応えしていきたいと考えています。
 メーカーである当社は、「困りごとに対して何をすべきなのか」を念頭に置いた製品開発や技術提案により、持続可能な水道施設の耐震化・強靱化事業へ貢献してまいります。
 「売り手・買い手・世間・作り手・環境・未来」の六方よしの実現とともに、配管施工におけるお困りごとに最適なご提案ができるよう努めてまいりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

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