水道業界EXPO ’21EXTRA

株式会社 クボタ

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管路更新を最善の形で

総合管路管理ソリューション/施工情報システム

■効率と品質を両立

 人口減少が進む中で、水道事業体もそこに携わる民間企業も、いつまでも従来通りのやり方を続けてはいられないことに気づいています。当社としては、大きな括りで言えば「水道の安定供給にとって不可欠な水道施設の持続にどのように貢献していくか」を課題として捉え、その解決に向け、効率化と品質の維持を両立させたソリューションを提供していきたいと考えています。
 今回は、喫緊の課題となっている「管路の更新」を最善の形で進めるという視点から二つの技術をご紹介します。

■重要性増す優先順位付け

 老朽化した管路を更新するに当たっては、予算が限られる以上、優先順位をつけて計画的に進めていく必要があります。しかし、管路の大半は目に見えませんから、その状態を判断し、最適な優先順位を決めるのは簡単ではありません。全国の事業体では過去の漏水実績や収集した技術情報をもとに検討しておられますが、より良い方法を模索されたり、支援を求めたりしている事業体も少なくないと認識しています。
 また、改正水道法に基づく台帳整備が進み、これからは整備したデータを活用する段階へと移行していきます。その意味でも、管路の評価や優先順位付けの手法はますます必要とされるでしょうし、期待を感じるところでもあります。
 そこで準備したのが、これまでに当社が蓄積したデータやノウハウを生かし、効果的な投資を支援する「総合管路管理ソリューション」です。

■新手法も組み込み総合評価

 更新順位を考える上では、老朽度を評価し、漏水の危険性が高い箇所を優先するのが一つの方法です。しかし、それぞれの管路には役割や重要性、断水時の影響範囲、修繕のしやすさなど考慮すべき多くの要素があり、そういったものを含めた総合的な評価こそが重要だと考えます。
 よって、クボタグループによる評価では「老朽度」「HR(自然災害への耐性)」「水理・水質」「重要度」などを評価項目としています。総合管路管理ソリューションは、各項目の評価結果に各事業体の事情や方針を加味し、最適な更新計画の策定を支援します。AIを活用し、投資効果が最も大きくなる更新順位や組み合わせを算出・表示する機能も提供してまいります。
 評価項目のうち老朽度については、従来は日本水道協会の水道施設更新指針に示された評価基準をよりどころとしてきましたが、このたび東京大学の滝沢智先生にご指導を仰ぎ、新たな評価方法を共同開発しました。老朽度評価モデルの構築においては、当社が1970年代から蓄積した約6000件の腐食調査データと埋設環境データをもとに、機械学習を用いた解析で最適化を図りました。管路ごとに予測漏水件数(件/年/km)を算出できるため、更新優先順位を明確に示すことが可能です。
 事業体のご協力を得て、実際の管路網における予測結果と漏水事故履歴を照合したところ、新しい評価方法を用いると従来の手法と比べて漏水件数を大幅に低減できることが確認できました。パッケージの総合評価サービスだけでなく、評価項目ごとのサービスも用意していますので、ぜひご相談いただきたいと思います。

■施工管理をスマート化

 もう一つが“工事の変革”という視点から開発した「施工情報システム」です。管工事を担う工事会社の数が減少し、作業員も経験の浅い若年層に移行しつつある中で、人手不足や施工品質の低下を懸念する声を伺っています。施工情報システムはこれらの解消に向け、発注者に信頼いただける方法で、工事をスピードアップさせることを目的としています。
 これまでもパイプや工具の開発を通じた施工性の向上には取り組んできましたが、さらなる効率化を考えると、施工管理のためのチェック行為や、それを書類化していく作業に改善の余地が見受けられました。とはいえ単に作業が楽になるだけでは、発注者である事業体に不安に思われかねません。ICTを活用した効率と品質の両立を前提に、スマート化を働き方改革につなげていくことが重要だと考えました。
 施工情報システムでは、現場の施工手順に合わせてiPhoneから接合情報を入力し、継手写真を登録することで、接合管理の項目や継手位置の緯度・経度などの情報がクラウドサーバに記録されます。同時に施工管理に関する書類が自動作成され、ウェブ上でリアルタイムに確認・出力できる仕組みになっています。
 さらに言うと、施工管理データの電子化は各種情報を持たせることで、その後の維持管理データとして飛躍的に活用範囲を広げることが可能となります。
 これらの機能は事業体との実証を踏まえて開発してきたもので、2021年7月から販売開始し、ご使用いただいているユーザー様からご好評いただいております。

■ソリューションの充実へ

 これで施工情報システムは完成というわけではなく、今後もバージョンアップや機能の追加を予定しています。すでにいくつかの新機能は形になっており、その一つが継手屈曲角度を自動で測定する『サイトアングル』です。
 直管継手は許容曲げ角度の範囲内での曲げ配管が可能ですが、接合時に角度を確認します。その際、従来は挿し口外面の白線と受口端面との距離を複数の箇所で測って角度を算出していましたが、今回、画像解析技術を応用することで、撮影した継手部の写真から屈曲角度を自動算出できるようになりました。
 これにより、作業の軽減とミスの防止を合わせて実現できます。
 もう一つがチェックゲージに代わってゴム輪位置を自動測定し、その測定値を施工情報システムに送信する機能を持った『サイトチェッカー』です。
 ダクタイル鉄管の接合に、ゴム輪が適切な位置にあることを確認するという工程があります。従来は、受口と挿し口の間にチェックゲージを差し込み、円周8カ所で入り込み量を測定しチェックシートに数値を記入する形となっています。
 測定作業自体は大きく変わりませんが、『サイトチェッカー』を使用することで測定値をメモして転記する手間が省け、誤記等のミスも防止できます。できるだけ早くお使いいただけるように、2022年夏のリリースに向けて準備を進めております。
 大きく二つのソリューションをご紹介しましたが、地元では対応しきれないような大規模な事業、あるいは施設の更新事業に対しては、DB方式なども含めた包括的な対応も可能です。これからも管路の更新計画策定、更新工事、維持管理などのさまざまなシーンにおいて、最適なソリューションを提案・提供してまいります。

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